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かつての姿が蘇った!

東京駅が開業したのは1914年・大正3年のことです。
現在から約一世紀も前に開業した東京駅は、赤レンガ造りのモダンな建物だったそうです。
たくさんの人が利用する公共交通機関として発展を遂げましたが、太平洋戦争時の空襲によって火災を引き起こして大部分が大破して無残な姿になったそうです。
終戦直後に修復工事が行われたことでほぼ現在の外観に戻すことができました。
とにかく早く修復させれば良いので少なくても4~5年持てば良いとも言われていた修復工事ですが、当時工事に関わった人達が日本の中央駅として相応しいデザインと頑丈さを保つために十分な工事を行ったことで、応急処置的工事だったとはいえ60年近く保つことができたそうです。
いよいよ本格的な復原工事を行うか、建て替えて高層化させるかという議論が行われた結果、最終的に元々の形に復原させることが決定されました。
2003年には国から重要文化財にも指定され、貴重な財産として認識されています。

復元工事の流れ

大正時代当時の建物を復原させる工事は、2007年から始まりました。
当時は3階建ての建物だったことから、鉄筋コンクリートで増築をして3階にすることになり、南北にあったドームも再現することになりました。
また、地下2階まで増築をして地震に強い構造にしています。
現在でも一部分が残されていた建築当時の外壁などもできるだけ活かすようにしながら工事を行ったため、技術的にも難しい工事だったと言われています。
開業当時の技術と、現在の技術を組み合わせたことで、いよいよ2012年に開業当時とほとんど同じ復元工事が完成しました。
復元工事にかかった費用は500億円と言われていますが、この費用はJR東日本が空中権を売買したことで捻出に成功したと言われています。

東京駅赤レンガ駅舎のみどころ

蘇った赤レンガ駅舎の外壁は、開業当時と同じように化粧レンガが使用されています。
また、目地はとても手間がかかるとされる覆輪目地という仕上げ方法が施されています。
この施工方法も開業当時のまま再現しているため、当時と変わらない外観に仕上げています。
屋根も開業時と同じ天然スレート屋根に替えられています。
当時から変わらない品質を保っていた部分については再利用されています。
南ドームのアーチレリーフには、創建当時に設置されていたレリーフの一部が使用されています。
戦争の被害によってほとんどが焼けてしまった状態でしたが、一部で保存可能な部分が残されており、現在でも確認できるようになっています。
ドーム内には8ヶ所のコーナーで十二支のうち干支の方位に合わせて8つの彫刻をご覧いただけますが、残りの4つは省かれています。